自己破産とは、国に認められた合法的な借金をチャラにしてくれる制度で、ケガや病気で収入が無くなってしまった自営業者や、突然リストラにあって職を失い収入がなくなってしまった人が多く利用している。
やむを得ない状況になって自己破産をしている人が多いにもかかわらず、自己破産に対する世間のイメージは冷ややかなもので、
自己破産した人のことを「とんでもない奴だ」というイメージを持ってしまう人がどうしても多いようだ。
破産について悪いイメージを持ってしまう原因は、テレビの影響が大きいのだろうと思う。
有名スポーツ選手や、歌手や芸能人などの有名人、事業に失敗した人などが、多額の借金をしたあげく自己破産をしたというニュースが報道されれば、そのニュースを見た人たちは、どうしても自己破産について悪いイメージをもってしまう。
国は、自己破産のことを「借金や財産を整理して、生活を立て直す制度である」と言っている。どちらかと言うと前向きな制度なのだが、なかなか日本国民には理解されにくいのだろうと思う。
自己破産する者は、「お金の管理が出来ないダラシナイ人」という誤解
あなたの周りの、友達や親戚、会社の同僚など身近な人が自己破産しようものなら決して良い印象は持たないだろう。お金に困っている人に対して良いイメージを持つことのほうが無理があるものだ。
しかし、先ほども説明したが自己破産は本来やむ得ない事情がある人が多く利用している制度だ。もしもあなたが突然ガンなどの病気になってしまって体が弱ってしまったら、今までと同じようには働けなくなる。収入が無くなり支払いの目処が立たなくなってしまったら、自己破産を検討しないといけない。
やむを得ない事情があって自己破産をした人を俺は否定はしない。だから、あなたにも自己破産に対するイメージを少しでも良いものに変えてもらいたいと思う。
国は自己破産するべきでない人の基準を設けている
借金が返済できないからと言って誰でも簡単に自己破産が出来てしまうと、気軽に自己破産をしてしまう人が増えてしまう。それでは困るということで、一応、国が作った自己破産のルールが存在する。
・浪費やギャンブルによって負債を増やした場合は免責が下りない!
生活に必要のない高級バックや貴金属などの装飾品を複数社からローンで買い捲り、多重債務者となって返済が困難になった人や、
パチンコ、競馬などのギャンブルにはまり、自分の欲のために借金をし続けて返済が困難になってしまった人などは、自己破産を申請しても免責が下りないことになっている。
免責が下りないとは?
借金がチャラにならないという意味である。つまり自己破産の申請をしたとしても、引き続き借金の返済義務が残るということだ。自己破産を検討している人で免責が下りるか下りないかは、どっちの結果になるかで死活問題となる。こういった免責の制度があるので、いい加減な理由で借金をした人間が自己破産が成立することが少なくなるため、やっぱり多くの自己破産した人はまともで、真面目な人のほうが圧倒的に多いのだろうと推測ができる。
この他にも、自己破産しても免責がおりないケースがある。
・破産手続や免責手続において虚偽の説明・陳述をした場合、
・クレジットで購入した商品をすぐに換金して負債を増やした場合、
・複数社から借金をしていて、特定の1社だけに返済をしていた場合、
・財産を隠したり,価値を減少させるような行為をした場合、
・支払能力について,債権者を欺いた場合、
・破産管財人の指示に従わない、協力しない、嘘をついた場合
・過去7年以内に確定した免責許可決定を受けている場合、
つまりは、
「嘘付いたり、高級品をカードで払ってすぐヤフオクで売却して現金を手に入れたり、生命保険や株式などの資産を隠したり、タンスに現金や貴金属などを隠したり、収入をごまかしてお金を借りていたり、そういう悪いことをしていたら免責は下りませんよ!」ということである。
自己破産を都合よく利用しようとする悪い人は免責は下りないのですから、
そう考えますとやむを得ず自己破産してしまった人を批判する根拠が少しは無くならないか?
ただ、実際には免責が下りるかどうかは自己破産申請をしてみないと分からない?
・「免責不許可事由に該当する行為があった場合でも,その程度が軽微であれば,事案によっては,裁量により免責が認められることもあります」
と、国は述べています。どの程度が軽微なのか?どんな事案が裁量で判断されるのか?いまいち分からないというのが実情なのですが、たまにギャンブルをしたり、ぜいたく品を購入するくらいなら免責が下りる場合もあるということでしょうか。
その辺りがあいまいなのですが、裁判所に問い合わせても個別の案件には明確な回答はしてくれないようです。
免責が下りるかどうかは、裁判所に聞いてもダメ、自分でも判断できないとなると、自己破産について経験豊富な弁護士の先生に相談することも必要なのかなと思います。専門家に相談することで、本来ならば免責が下りるのに、勝手な自己判断で「自己破産なんて無理」と思い込んでしまうケースが防げます。
自分の借金は、自分が死んだときに最悪、家族に引き継がれます。
自分が死んでしまえば関係ないことなのかもしれませんが、借金を残された家族は良い思いはしません。どうせなら借金は綺麗に整理しておきたいものです。
自己破産にもデメリットはある
よほどのことがない限り、借金がチャラになるのが自己破産のメリットなのですが、もちろんデメリットもあります。
自己破産、最大のデメリット
自己破産は借金の支払い義務が無くなることであって、保証人がいる場合は、その保証人に借金の支払い義務が発生してしまうこと。
カードローンの場合は無担保、保証人なしで借金ができると思いますので大丈夫なのですが、保証人をつけて借金をしているケースの場合は、借金がそのまま保証人のところで移ってしまうのです。突然、保証人のところに借金の督促状が届くわけですから裏切られた気持ちになることでしょう。これって大きなデメリットだと思いませんか?
保証人はあなたに変わって借金の返済をしていくことになるのですが、もしも保証人に支払い能力がなかった場合には、その保証人も自己破産や、任意整理で借金を整理しないといけない状況に陥ってしまうのです。全うな人間ならば、まずは自己破産をする前に保証人に話をしておく必要があること位は理解できますよね?
また、
自宅がマイホームの人は自己破産することで、没収されて売却されてしまう。
マイホームを失うことは、普通の人間ならば相当ショックな出来事になってしまう。ただ、そういった人は自己破産ではなくて、「個人再生」という借金の整理方法を利用すれば、マイホームが没収されないので、そちらを利用するべきです。ただし、個人再生の場合は借金が最大5分の1まで減額されるので、全額チャラとまではいきません。それでもマイホームが残るのならば十分良しと考えるべきではないでしょうか?
その他の自己破産のデメリット
・保険募集員,警備員,弁護士,司法書士、税理士,公認会計士、不動産鑑定士、宅地建物取扱主任者など、自己破産手続き中に就ける職業に制限がかかる。
後見人等になれない。
後見人制度とは?、たとえば認知症になってしまって物事を判断が出来なくなってしまった親の変わりに息子が後見人となって契約などをする制度のこと。
・裁判所の許可なく転居や長期の旅行ができない
・郵便物等が破産管財人に転送される場合がある。
・破産管財人に対して財産状況などの説明義務を負う。
自己破産したほうが良い人
・独身者
・住まいがマイホームでない人
・自分の名前が官報に載るとヤバイ人
・借金の総額よりも現金、預金の方が上回っていない人
・売却すると価値のある物やサービスを保有していない人
・無職の人、収入がない人
・病気の人
独身の人、結婚を考えている人は自己破産が良いと思います。結婚してからだと、借金の概要が夫婦でばれてしまうから少々面倒なことになります。
せっかく結婚したのに借金が原因で離婚なんてことになったら本当バカらしいですよ。独身の間に自己破産してしまえば、自己破産したことも借金をしていた事実すらも誰にも知られることがないのですから、早いに越したことはないのです。
自分で自己破産の手続きはできるの?
自己破産申請は誰でもできるものです。ネットでちょこちょこ手順を調べて手数料さえ用意すれば不可能ではないです。
ただ、国(裁判所)は以下のように述べています。
「破産法その他の法律を知らなかったり,誤解をしたために,十分な主張や証拠の提出ができなかった場合などには,裁判所は申立てを棄却することもあります。」
所詮、法律の素人が、苦労して自分で手続きを始めたとしても、免責が下りる前に申し立て自体が却下されてしまう場合が多いのです。
却下されることで、時間もお金も無駄になります。
借金の整理方法が,「自己破産」だけと思っている人が多いようです。
実は、借金の解決方法は4つあります(時効も含めると5つです)が、今の自分の状況に一番適切な選択しを選ぶことが、一番損をしない秘訣になります。
1、弁護士による「任意整理」
2、裁判所による「特定調停」
3、裁判所による「個人再生」
4、裁判所による「自己破産」
それぞれに特徴があり,どの方法を選ぶかで法律上,社会生活上の影響(制限)も出てきます。
たとえば、マイホームがある人が自己破産を選択してしまうと売却されてしまい住むところが無くなってしまう。そんな人は個人再生という選択肢を選ぶことでマイホームを残しつつ借金を大幅減額をすることができるのです。
自分にとって,どのような方法が適当で一番得なのかは、よく考える必要があるわけですね。
>>> 自己破産、任意整理、個人再生、特別調停、いったいどの方法が一番良いのか?無料で診断してみる